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アメリカ子育て連々記v

From Mom

第15回:ホームレスの子守、モニカ

長女(ココ)が生後3ヵ月を過ぎて、やっと少し落ち着いてくると、今までは片手間でやっていた仕事も本格的に再開です。さすがの子守の天才、ディバ(第11回で紹介)も1歳児2人と0歳児1人を見るには手の数が足りないので、ココの当面の居場所は私の仕事机の横になりました。でもココは一心と違って、よく寝てくれる静かな赤ちゃんではなかったのです。私が電話で値段交渉をしている横でワンワン泣かれると交渉どころではなくなります。そのうち電話中にうるさくすると構ってもらえるという事を学んだのか、わざわざその時を狙ったかのように泣いたりわめいたりするようになりました。自宅兼オフィスなので、事務的な仕事は深夜に出来ますが、電話の用件はどうしても日中に片付けなければなりません。それに仕事をしているのですから、外からかかって来る電話はこちらの都合などお構いなしです。そんなこんなで、これ以上ココを傍に置いて仕事を続けるのは無理かなぁ・・・と困惑していた時に追い討ちをかけるように、ディバが初心を貫いて女優志願に専念したいという理由で辞めることになりました。ディバが彼女の友達を後釜にと紹介してくれましたが、2日で逃げ出してしまいました。もともと子供好きではなかったようです。

かくして私とMisaちゃんは、合計3人の幼子を抱えて砂漠の真ん中に放り出され、仕事どころではなくなりました。またまた求人からやり直しです。仮に良い人が見つかっても、よちよち歩きの幼児2人と手のかかる乳児を見るには、やはり慣れるのにしばらく時間が必要ですし、またどれだけ長く勤めてくれるのかも分かりません。ちょうど時期も悪く、その時既に次のコマーシャルの仕事が入っていたので、そうそうのんびりしてもいられません。すぐさま3つのトレード誌に求人広告を出し、電話インタビューで良さそうな人には、面接の代わりに試しで一日仕事をしてもらい、良ければその場で採用するという条件で求人活動を始めました。謂わば窮地に陥った、仕事を持つ母親の苦肉の策です。子供は3人、それに小守さんも病気になったり、突然都合が悪くなって来られなくなったり…という事態も起こり得るので、ダブる時間や週末も含めて、当面は2人体制で考えようという事にしました。何はともあれ、目の前の仕事を何とかやり切る事が先決です。

当然、事はスムーズには進まず、何人かの失望と怒りを重ねて途方にくれかかっていた時に、救世主のように現れたのがモニカでした。モニカはとても明るいイスラエル系ユダヤ人で、くるっとした大きな目にちょっと派手目のお化粧をした、肝っ玉母さん風のおばちゃんでした。未婚で、年は聞かなかったけれど(法律違反なので、聞いてはいけません。)、多分40代後半か50代の始め位だったでしょうか?そしてモニカは、大きなバン(車)を住み家にしている半ホームレスでした。詳しい事情は聞きも話もしませんでしたが、車に住んでいるから不自由をしているという様子でもありませんでした。シャワーは地域のリクレーション・センター等で取っていたようです。そんな人を子守に雇うなんて…と思われる人も多いでしょうし、実際私達も採用に関してはちょっと迷いましたが、モニカは3人を一手に引き受け、子供達もやさしいモニカにすぐに懐いたのです。そしてありがたいことにモニカは勤めてくれた2年間、殆んど病気もせず、お休みもしなかったのです。

モニカに出会う前に試しで来てもらった人の中には、無断で自分自身の1歳児を連れて現れ、(私達は彼女に子供がいることすら知りませんでした。)こうした方が子供達の遊び相手が増えて良いと勝手に決めつけた、元保育園の先生(本人弁)らしき女性、採用不可と知ると自分の大きなバッグに子供達の玩具をごっそり入れて持って帰ってしまった人、小学校の教員免許とCPR(救命士)と更にライフガード(水泳場の監視・救護員)の資格も持っているという鳴物入りで現れ、子供達に命令を与える他は、ただただ監視・観察をしていた女性など、それこそ目が点になってしまいそうな人もいました。

モニカの個人的な事情はともかく、最終的に大切だったことは、人柄とやる気と体力と責任感の強さ、そして子供達への大きな愛情でした。

2年後に、モニカが去った後、電話では何度かお互いの近況を報告し合いましたが、会ったことはありません。ウチの後は、マリブ(有名人が数多く住む海辺の高級住宅地)の大豪邸で住み込みの子守兼家政婦の仕事を得て、張り切って働いていたようですが、掃除中に階段から落ちて腰の骨を折る大怪我をし、長い間治療とリハビリで辛い日々を送ったようです。回復後は足の不自由な老人の世話などをしていたようですが、ここ何年かはすっかり音信が途絶えてしまいました。でも、モニカ、どうもありがとう。私達は今でもとっても感謝しているのです。

(2005/2/20)

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